現代町家では、建物を敷地(サイト)にうまく溶け込ませるために建物の単位を小割りにしています。それがベースとゲヤです。
タイプ1
一つのベース + いくつかのゲヤを配するタイプ。
現代町家の基本となるタイプです。コンパクトで高性能な家で、床面積25〜30坪の家に向いています。ペースに対して、ゲヤで凹凸をつけ、敷地(サイト)全体を設計します。
これらのパタンを活かせばプランはおもしろいほどに多彩な展開をみせます。
ベースを基体にして、ゲヤで凸(でこ)をつくります。
タイプ1に対応します。凸らせると、そこに凹みや、囲み角地と呼ぶ空地が生じます。
二つのベースを対置してゲヤで繋ぎます。
タイプ2に対応します。このパタンにゲヤを凸らせると、バリエーションが大きく広がります。対置するベースは、「昼」と「夜」というように、異なる生活パタンに分けられ、奥行きのあるプランが可能になります。二世帯住宅にも適用できます。
二つのベースを「ずらす」と、表と裏に、それぞれ性格の異なる庭が生れます。生活ゾーンを分けながら、ゾーンとゾーンを繋げると、オープンネスな空間が広がります。また、「ずらす」ことによって生れた「空地」を、半戸外的な空間として用います。
複数のベースを「並べ」て繋ぎ、ゲヤを補足します。このパタンは、生活ゾーンを分離しない一体型プランに合います。
「並べる」パタンは単調さを免れませんが、吹き抜けを設けたり、平屋・二階屋を組み合わせたりすると、思っても見ないプランになります。さらにゲヤを配することで、プランはより多彩になります。
ベースとベース、またはベースとゲヤを相対させ、一方を振ります。非日常的な用途によくて、離れ・アトリエ・教室・車庫など住まいと別の機能を求める場合に有効なパタン。二世帯住宅にも合っています。「振る」ことにより、多角形の空地が生れます。デッキや庭の設け方を工夫すると、グンとおもしろさを増します。