ケーススタディ

ベースとゲヤ

現代町家では、建物を敷地(サイト)にうまく溶け込ませるために建物の単位を小割りにしています。それがベースとゲヤです。


現代町家パタン1
タイプ1
一つのベース + いくつかのゲヤを配するタイプ。
現代町家の基本となるタイプです。コンパクトで高性能な家で、床面積25〜30坪の家に向いています。ペースに対して、ゲヤで凹凸をつけ、敷地(サイト)全体を設計します。

現代町家パタン2
タイプ2
二つのベース + いくつかのゲヤを配するタイプ。
二つのベースといくつかのゲヤを配するタイプ。“府内町家”がこれにあたります。生活ゾーンを二つに分けることで、多様な住み変えができます。家族や生活の変化に対応が容易なタイプです。床面積35〜45坪の家に向いています。
現代町家パタン3
タイプ3 
いくつかのベース複合タイプ。
4〜6mまでの大小のベースの選択により、住宅の大小にかかわらず適用可能なタイプです。細長い敷地に向きます。また、平屋の住まいに有効なタイプです。


パタンの選択

これらのパタンを活かせばプランはおもしろいほどに多彩な展開をみせます。

凸る

凸る

ベースを基体にして、ゲヤで凸(でこ)をつくります。
タイプ1に対応します。凸らせると、そこに凹みや、囲み角地と呼ぶ空地が生じます。

 
対置する

対置する

二つのベースを対置してゲヤで繋ぎます。
タイプ2に対応します。このパタンにゲヤを凸らせると、バリエーションが大きく広がります。対置するベースは、「昼」と「夜」というように、異なる生活パタンに分けられ、奥行きのあるプランが可能になります。二世帯住宅にも適用できます。

●対置させるベースの単位の大きさにより、まったく異なるプランになります。平屋と二階屋を対置させると、さらにバリエーションが増えます。
 

ずらす

ずらす

二つのベースを「ずらす」と、表と裏に、それぞれ性格の異なる庭が生れます。生活ゾーンを分けながら、ゾーンとゾーンを繋げると、オープンネスな空間が広がります。また、「ずらす」ことによって生れた「空地」を、半戸外的な空間として用います。

●「ずらす」ことによって生じる、表と裏の「空地」をプラン段階でどうするかを決めておくべきで、それによってプラン自体の質が違ってきます。

並べる

並べる

複数のベースを「並べ」て繋ぎ、ゲヤを補足します。このパタンは、生活ゾーンを分離しない一体型プランに合います。
「並べる」パタンは単調さを免れませんが、吹き抜けを設けたり、平屋・二階屋を組み合わせたりすると、思っても見ないプランになります。さらにゲヤを配することで、プランはより多彩になります。

振る

振る

ベースとベース、またはベースとゲヤを相対させ、一方を振ります。非日常的な用途によくて、離れ・アトリエ・教室・車庫など住まいと別の機能を求める場合に有効なパタン。二世帯住宅にも合っています。「振る」ことにより、多角形の空地が生れます。デッキや庭の設け方を工夫すると、グンとおもしろさを増します。

●「振る」パタンの難点は、構造的に一体計算できないことです。構造上の検討を行って用いてください。
 

ケーススタディ

紹介したパタンを組み合わせたケーススタディをご紹介します。
詳細は下の図をクリック!

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