ベースとゲヤを組み合わせてプランをつくる。簡単なようで、奥が深く、おもしろい作業です。ここでは、土地の読み方、プラン作りの考え方・手法をご紹介します。
サイトプランニングとは、建物は土地の形状にしたがう、ということです。ポーチの設け方を例にして見てみましょう。
ここに三つのポーチがあります。
引っ込むポーチ・出っ張るポーチ・カーポートから入るポーチの三つです。
道路からのアプローチが取れない場合は〈引っ込むポーチ〉を用います。アプローチは、少しでも長い方がいいからです。広さは最低0.9メートル四方確保したいところで、傘をたたんだり差したりするには、奥行1.5メートル、幅2.0メートルは欲しいところです。
〈出っ張るポーチ〉は、アプローチに余裕がある土地の場合に用います。モデルハウスは、アプローチに余裕がないのに、このポーチが用いられています。このプランでは、ポーチ脇に壁を設けることで、小庭に目が向くようにできており、この庭を含めて「家の迎」になっています。
〈カーポートから入るポーチ〉は、都市部によくあるタイプです。家の壁にも車にも接触しない広さは確保したいところです。
このように、敷地(サイト)によってポーチは、様々な形と機能を持ちます。このことはポーチだけでなく、住まいのあらゆる場について言えることです。敷地の形状、道路との高低差、隣家の屋根や窓の位置、樹木の具合なども調べ、それをプランに反映させます。
サイトプランニングが理解できたら、ベースとゲヤを配置してみましょう。
現代町家では、各種のパーツの積み木をパタンの検討に使います。
同じ6mのベースでも平屋のものと二階屋のものがあります。積み木は「場」の大きさを表すと共に、建物を立体として見ることが出来ます。片流れの屋根もあれば、切妻屋根もあります。それをベースの積み木に載せると家のカタチが姿を見せます。
ゲヤは、いろいろな大きさとタイプがあります。それをベースの横に置くと、凸凹が生じます。そこをデッキにしたい場合には、デッキの積み木が用意されています。しかし、用意されている積み木だけでなく、段ボールや発砲スチールなどを利用して自前のものを作っても結構です。
狭い土地の場合は、三種類以外の4m×6mのベースがいい場合もあります。
積み木を駆使して、いろいろなパタンを試してください。