ケーススタディ5

いくつかのベース複合

敷地は、細長い狭小地。都市ではこういう敷地が多い。現代町家のスタンダードプランといってよいでしょう。4mベースを2つ直列に置いて繋いげ、1.5mのゲヤを凸らせた、長屋的な印象を持つプランです。
ゲヤは“通り土間”の機能を持ち、ベースとゲヤの間に生れた凹みにポーチと“一坪里山”を配しました。狭小地で住宅密集地の敷地なので、特に採光に留意し、二階リビングにしています。「不便なのでは?」と言う人がいますが、経験者はまったく不便を感じないそうです。プラン的には二階の広間を広く使いたいため、ベースとゲヤを空間的に連続させています。
4m空間を効果的に使ったコンパクトな現代町家です。

「並べる」と「凸る」を
併用した効果

4mベースを「並べる」ことによって狭さを補い、ゲヤを凸らせることにより、道路と建物の関係を親密にしています。

ここに生まれる外部空間の種類

北庭/普段はカーポートとして使用。
車が出て行くと庭に。樹木で木陰をつくり、雨水は浸透させます。客室と広間に面する落ち着いた庭になっています。
南庭/和室前部の坪庭。
ポーチ/ベースとゲヤの凹みを利用。
一坪里山/ベースとゲヤの凹みを利用。和室とお風呂から見えます。

採用されたパタン

並べる
凸る

採用されたベース
● 4m×4m (広間)
● 4m×4m (寝室)

採用されたゲヤ
● 1.5m×6m (土間・キッチン)
● 1.5m×2m (浴室)

追加した補助部品
● 繋ぎゲヤ
● 吊りデッキ × 2
● キャノピー (庇)